2006年 05 月 10 日 ( 13 : 55 )
精神障害者「共に働く」第一歩
法改正 今年度から雇用率に算入
障害者雇用促進法の改正により、民間企業の義務となっている
障害者の法定雇用率に 身体・知的障害者だけでなく
今年度から新たに 精神障害者も算定できるようになった。
精神障害者の 新たな就労を前進させるものとして 専門家らは期待を寄せている。
障害者雇用促進法では、従業員56人以上の民間企業に
身体・知的障害者を 1・8%以上 雇用するよう義務付けている。
同法の改正により、4月からは「手帳」を持つ精神障害者も
この法定雇用率に 算定できるようになった。
「精神障害があると、働くのは難しいと見られがちだが
十分戦力になることを知ってほしい」と
宮城県北部に位置する 栗原市の 「大場製作所」 の
社長の大場俊孝さんは強調する。
本人の適性や 働く意欲を見るために、同社が活用しているのが
職業安定所や 保健所が実施する 訓練・実習制度。
中には 自治体から支給される
訓練費をもらいながら 働くことが出来る制度もある。
正式な雇用ではないため、互いに気楽な部分がある。
その間に 職場内の理解も 深まっていくという。
NPO法人 「全国精神障害者就労支援事業所連合会」 の 理事長の大場さんは
「地域の保健師や 職業安定所などと 連携することが必要だ」 と アドバイスする。
進まぬ雇用 根強い偏見
250万人で 働く人わずか 1万3千人
精神障害者とは、統合失調症や そううつ病などの 精神疾患により
長期にわたって 日常生活や 社会生活に 制約を受ける人の事をいう。
厚生労働省の患者調査(2002年)によると、
精神障害者数は約250万人 年々増加傾向にある。
同省設置の研究会が 03年、415の企業に対し
精神障害者雇用についての考えを聞いたところ
「雇用管理のことがよく分からず、不安なので雇いたくない」
「分からない」 と 回答したのは計43%
「仕事ができなかったり 職場になじむのが
難しいと思うので雇いたくない」 は 12%に上った。
雇用が進まない背景には、精神障害者に対する 認識不足や
根強い偏見があるようだ。
千葉県障害者職業センターの 障害者職業カウンセラー、佐々木よしえさん は
「一度、当事者と話したり、かかわったりする機会を持ってもらえれば
企業側の見方も変わるのですが」 と 実感を込める。
西南学院大教授の 舘暁夫 (たちあきお)さん (精神保健福祉) は
「法改正がなされただけで、一気に雇用が進むとは考えにくい。
受け皿となる企業が一社でも増えるよう
精神障害者に対する理解を 地道に求めていくことが必要 」 と言う。
一方、新たな問題も出てきた。 就職後に 精神疾患を 抱えた人の存在だ。
民間企業内には 精神疾患を抱える人が 一定の割合で潜在していると見られるが
雇用率を上げるために精神障害者の “掘り起こし” が 行われる恐れがある。
厚生労働省では、精神障害者の把握・確認についての
ガイドラインを作成し プライバシーに十分配慮するよう 企業に呼びかけている。
舘さんは
「障害者の就労問題の中でも、精神障害の分野は最も遅れている。
それは長い間 病気としてとらえられ
病院や福祉の場にしか 居場所を与えられてこなかった為だ。
共に働ける場を 広げていくには 法整備と共に
心のバリアを どう取り除いていくかが 今後の大きな鍵になる」 と 話している。
中小企業が支え

dataでーた 「働きたい」と願う 精神障害者は 年々増えている。(グラフ)
障害者雇用実態調査 (2003年度) によると
従業員 5人以上の企業で働く 精神障害者は 全国で1万3000人いる。
従業員 5〜29人の企業に 雇用されている例が最も多く 47.4%
500〜999人の 企業では1.7%と 極端に少ない。
中小企業により 精神障害者の雇用が 支えられている事がうかがえる。
(2006年5月10日 読売新聞 :板東玲子)















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